? 項目データの入力順を指定する

 フォームにデータを入力するとき、入力決定の[Enter]キーを押したり、[Tab]キーや[Shift][Tab]キーを押すと、次の欄が入力可能状態になります。この動作のことをタブストップといい、移動順は各コントロールのプロパティ[タブ移動順]で指定することができます。

また、データを入力しないコントロールなどのプロパティ[タブストップ][いいえ]に設定します。

 

1◆移動順を確認する

 [タブ移動順]は、フォームビューで[Tab]キーを押して確認することができます。また、プロパティ[タブ移動順]に設定されている番号で、そのコントロールの順番を確認できます。現在の移動順をフォームビューで確かめてみましょう。

 

>操作

2.165 フォームビューで開いた請求書フォーム

    @[Tab]キーを押すと次の入力欄(A)が入力可能状態になる

    A[Tab]キーを押すと次の入力欄(B)が入力可能状態になる

    B[Tab]キーを押すと次の入力欄(C)が入力可能状態になる

    C[Tab]キーを押す

2.166 次の入力欄が表示される

    アレコード表示が1つ進む

 

線吹き出し 3: B
線吹き出し 3: @

 

 


線吹き出し 3: C線吹き出し 3: A      

      AC7H187Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

線吹き出し 3: ア      

                             AC7H188Z

 

 本書の解説どおりに請求書フォームを作成してあれば、入力可能状態(アクティブな状態という)は次のように移動するはずです。

    顧客名→自社プロフィール→請求書番号→発行日

 順番を入れ替えて、入力しやすくすることが[タブ移動順]を変更する目的です。また、オートナンバー型に設定した請求書番号はアクティブにする必要がないので、[タブ移動順]から外し、次のような順番で移動するようにします。

    顧客名→発行日→自社プロフィール

 

2◆移動順を替える

 移動順を示すプロパティ[タブ移動順]は番号で指定します。1つ目は0、以下、123、……となります。この番号を書き換えて、順番を変更します。請求書フォームのタブ移動順を2.5のように変更してみましょう。フォームをデザインビューで開いて操作します。

 

2.5 [タブ移動順]の変更

現在の移動順  タブ移動時  タブストップ  変更後の移動順 タブ移動順

顧客名      0      はい      顧客名      0

↓                       ↓

自社プロフィール 1      はい      発行日      1

↓                       ↓

請求書番号    2      はい      自社プロフィール 2

↓                       ↓

発行日      3      はい      請求書番号    3

↓                       ↓

(次のレコード)                 (次のレコード)

 

 

>操作

2.167 デザインビューで開いた請求書フォーム

    @[タブ移動順]を変更するコントロール(ここでは「発行日」)のプロパティウィンドウを表示する

    A[その他]タブの[タブ移動順]に移動の番号(ここでは「1)を入力する

 

 

 

 

線吹き出し 2: A線吹き出し 2: @       

       AC7H189Z

 

 これで、発行日の欄の入力順は2つ目(01つ目、12つ目)になります。[タブ移動順]1は変更前は[自社プロフィール]でしたが、他のコントロールに割り当てられた番号は重複しないように自動調整されます。次の操作でその自動調整された値を確認してみましょう。

 

>操作

2.168@[自社プロフィール]欄をクリックする

    アプロパティ一覧が[自社プロフィール]の内容に切り替わる

    イ[タブ移動順]2に自動変更されている

2.169A[請求書番号]欄をクリックする

    ウプロパティ一覧が[請求書番号]の内容に切り替わる

    エ[タブ移動順]3に自動調整されている

 

 

線吹き出し 2: イ線吹き出し 2: ア線吹き出し 2: @      

      AC7H190Z

 


 

線吹き出し 2: エ線吹き出し 2: ウ線吹き出し 2: A        

        AC7H191Z

 

 この操作例では、[発行日][タブ移動順]2に変更しただけで、他の2つのコントロール[自社プロフィール][請求書番号][タブ移動順]は目的の番号に自動調整されましたが、操作状況によっては自動調整される番号が期待どおりにならないこともあります。その場合は、変更の操作を繰り返して目的の番号に書き換えます。

 変更が完了したら、[タブ移動順]を確かめます。まちがっていたら、デザインビューに戻って番号設定をし直します。

 

 

3◆タブ移動順から外す

入力する必要がない欄は、プロパティ[タブストップ][いいえ]にしてタブが移動しないようにします。

[請求書]フォームでは、[請求書番号]はオートナンバー型にしてあるので、入力の必要はありません。2.6のように[タブストップ]を変更します。

 

2.6 [タブストップ]の変更

変更後の移動順  タブ移動順  タブストップ

顧客名       0      はい

発行日      1        はい

自社プロフィール 2        はい

請求書番号    3        はい→いいえに変更

(次のレコード)

 

 

 

>操作

2.170@[請求書番号]欄のプロパティウィンドウを表示する

    A[タブストップ]欄の[]ボタンをクリックして[いいえ]を選択する

 


 タブストップを[いいえ]に変更しても[タブ移動順]は設定されたままですが、この番号(ここでは3)は消さずに残しておきます。

 フォームビューに切り替えて、動作を確かめておきましょう。なお、[タブ移動順]から外したコントロールでも、マウスでクリックするとアクティブになります。

 

 

線吹き出し 2: A線吹き出し 2: @        

        AC7H192Z

 

 

タブオーダー

プロパティ[タブ移動順]を数値で指定する方法を解説したが、タブオーダーのダイアログボックスではマウス操作で指定することができる。

ダイアログボックスは、メニュー[表示][タブオーダー]を選択して開く。ダイアログボックスにコントロール一覧が表示されるので、コントロールをドラッグして移動順を決める。また、ダイアログボックスの[自動]をクリックすると、フォームの上から下、左から右の順に設定される。

 

              AC7H193Z

 

 

 

キーワード

■プロパティ[タブ移動順]次の入力欄へ自動的に移る順番を設定する

■プロパティ[タブストップ]自動的に移る順番から外す設定をする。[はい]だと順番に加える、[いいえ]だと順番から外す

 

 


 

G今日の日付を自動入力する

 テキストボックスなどのデータが入力できるコントロールに、日付関数を使って、今日(そのフォームを開いたとき)の日付などを自動入力することができます。

日付関数は、対象となるコントロールのプロパティ[既定値]に設定します。既定値とは最初に自動入力される内容のことで、ユーザーが新たにデータを入力すると、既定値は破棄されて、入力したデータが有効になります。

 

1◆今日の日付を表示する

 今日の日付を入力するためには、コンピュータに内蔵されている時計やカレンダーをDate関数またはNow関数で参照します(ただし、内蔵時計が正確な日時を示していなければならない)

 Date関数は日付(年月日)を、Now関数は日付と時刻を取り出します。日付だけをフォームに入力するなら、Date関数を使います。自動入力されるタイミングについては、183ページの「3 日付の自動入力を確認する」で確認しましょう。

 この関数をテキストボックスのプロパティ[既定値]に入力すると、現在の日時が自動的に入力されます。

 

2 プロパティ[既定値]に関数を入力する

 関数は、式ビルダを使う方法と、プロパティの入力欄に直接入力する方法のどちらかで入力します。ここでは、式ビルダを使って関数の一覧から選択して入力する方法を解説します。

 請求書フォームをデザインビューで開いて、関数を入力するテキストボックスのプロパティウィンドウを表示して操作します。

 

>操作

2.171 テキストボックス[発行日]のプロパティウィンドウ

    @[既定値]欄をクリックして[...]ボタンを表示する

2.172A[...]ボタンをクリックする

2.173 式ビルダが起動する

    B関数のフォルダアイコン(+印が付いている)をダブルクリックする

2.174アフォルダが展開される

    C[組み込み関数]をクリックする

    イ関数のグループ名一覧が表示される

    D[日付/時刻]をクリックする

2.175ウ関数の一覧が表示される

    E[Date]をクリックして反転表示にする

    F[貼り付け]をクリックする

    エ関数が挿入される

    G[OK]をクリックする

2.176[既定値]欄に関数が入力される

 

 

 

 

 

 

 

 

 挿入した関数の先頭に「=」が自動的に入力されます。式であることを示すために先頭に=が必要なのですが、式ビルダを使った場合は入力を省略できます。また、式ビルダに表示される関数一覧には関数名として「Date」とだけ表示されていますが、貼り付けると「Date()」のように必要なカッコが付加されます。

 

線吹き出し 2: A線吹き出し 2: @  

AC7H194Z                         AC7H195Z

 

線吹き出し 3: B

 


線吹き出し 2: D 

線吹き出し 2: CAC7H196Z                   AC7H197Z

線吹き出し 2: エ
線吹き出し 2: F

 

 


線吹き出し 2: オ線吹き出し 2: G線吹き出し 2: ウ線吹き出し 2: E    

AC7H198Z                       AC7H199Z

 


3 日付の自動入力を確認する

 請求書フォームをフォームビューに切り替えて、日付が自動入力されることを確認しましょう。

 

>操作

2.177 フォームビューで表示した請求書フォーム

    アすでに入力しているレコードには既定値は表示されない

    @レコードボタンをクリックして新しいレコードへ進める

2.178イ入力のレコードには既定値(現在の日付)が表示される

2.179A既定値が表示されていても、発行日の欄をクリックして日付を書き換えることもできる。

 

線吹き出し 2: ア

線吹き出し 2: @                       AC7H200Z

線吹き出し 2: イ

                       AC7H201Z

線吹き出し 2: A

                       AC7H202Z

 


グリッド線とグリッド数

 フォームやレポートをデザインビューで開くと、縦横の等間隔に引かれた格子状の線が表示される。この線のことをグリッド線という。グリッド線を表示する/しないは、ツールメニューの[表示][グリッド]で切り替えることができる。

 グリッド線の間隔は固定なので変更することはできない。コントロールは、グリッド線に沿って配置される。また、グリッド線の間にも見えないグリッド線が引かれていて、その見えないグリッド線に沿ってコントロールを配置できる。表示されているグリッド線の間に設定する見えないグリッド線の数はフォームのプロパティ[X軸グリッド][Y軸グリッド]で指定できる。

 既定値は10で、2.180の値10を他の値(5など)に変更すればグリッドの状態が変化する。フォームのプロパティを開くには、フォーム左上の[]ボタン()をダブルクリックする。2.1815に設定した結果。

 

 

線吹き出し 2: ア線吹き出し 2: イ        

         AC7H203Z

 

線吹き出し 2: ウ   

        AC7H204ZAC7H205Z

 

キーワード

■プロパティ[既定値] データを入力しないとき、自動的に入力する内容を指定する

Date関数 現在(コンピュータ内蔵カレンダーが示す日付)の日付を求める

Now関数 現在(コンピュータ内蔵カレンダーと時計が示す日時)の日時を求める