3-2

請求書フォームを完成させる

請求明細のサブフォームが完成したので、次に親フォームである請求書フォームを完成させます。親フォームでは、請求明細の合計、消費税額の計算を行います。また、請求明細のレコードの表示順を、入力順に並べ替えて表示させます。さらにフォームの印刷をするところまでを解説します。

 

@レコード表示を並べ替える

請求明細のサブフォームに表示される請求明細項目を入力した順番、つまり、行番号の小さい順に表示するようにします。

請求明細は、請求明細(マスター)テーブルに入力した順に記録されます。ところが、サブフォームの表示は入力した順にならないことがあります。これは、請求明細(マスター)テーブルがサブフォームに直接表示されているのではなく、クエリを通して表示されているからです。これをいつでも同じように、確実に小さい番号順(あるいは大きい番号順)に表示するために、「請求明細クエリ」に並べ替えの設定をします。

 

1 クエリで並べ替える

請求明細クエリをデザインビューで開いて、フィールドの並べ替えを設定します。行番の小さい番号順に並べ替えるなら「昇順」、大きい番号順なら「降順」を選択します。親フォームと子フォームを閉じた状態で操作します。

 

>操作

3.118 請求明細クエリをデザインビューで開く

    @並べ替えを設定する欄(ここではフィールド[行番])をクリックして[]ボタンを表示する

3.119A[]ボタンをクリックして一覧から「昇順」を選択する

3.120ア並べ替えが設定される

3.121イ昇順に並び替わった請求明細

 

 

 

 

AC7H441Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

AC7H442Z                   AC7H443Z

 

 

AC7H444Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーワード

■並べ替え、レコード表示の順番などを一定の順番に並べること。番号の大きい順に並べ替えることを「降順」、番号の小さい順に並べ替えることを「昇順」という

 


ASum関数で合計を求める

請求書フォームに、請求明細の小計金額を表示させます。小計金額は、合計を求めるSum関数で集計します。

 

1 明細小計を計算する

サブフォームに表示されている金額のデータを集計します。サブフォームにテキストボックスを1つ挿入して小計値を表示させます。計算式は次のようになります。

 

Sum([金額])

  ↑  ↑

 関数  計算の対象になるフィールド名

 

請求明細のサブフォームをデザインビュ-で開いて操作します。

 

●フッター領域を広げる

 

>操作

3.122 請求明細のサブフォームをデザインビューで開く

    @フォームフッターのタイトルバーの下部にマウスポインタを合わせる

    A下方向へドラッグする

3.123アフッター領域が表示される

 

線吹き出し 3 (枠付き): @
   
 AC7H445Z

 AC7H446Z

線吹き出し 2: A 


線吹き出し 2: ア AC7H447Z

 

●フッター領域にテキストボックスを挿入する

 

>操作

3.124@ツールボックスの[テキストボックス]をクリックして押し込む

3.125Aテキストボックスをフッター領域に挿入する

3.126 ウィザードが起動する

3.127B[次へ]をクリックしてテキストボックス名の入力まで進める(途中の設定値は既定値のままで進める)

3.128Cテキストボックス名(ここでは「小計金額」)を入力する

    D[完了]をクリックする

3.129アテキストボックスが挿入される

 

線吹き出し 2: @   

線吹き出し 2: AAC7H448Z        AC7H449Z

 

AC7H450ZAC7H451Z

 

 

 

 

 

 

線吹き出し 2: B 

 

 


AC7H452Z

 AC7H453Z

 

●コントロールソースに計算式を入力する

 

>操作

3.130 テキストボックス[小計金額]のプロパティウィンドウを表示する

    @[コントロールソース]欄の[...]をクリックする

3.131 式ビルダが起動する

    A[]ボタンをクリックする

    ア[]が入力される(図中のIはカーソル)

    B関数フォルダの+印をダブルクリックする

3.132イ関数フォルダが開く

    C組み込み関数フォルダをクリックする

3.133ウ組み込み関数の一覧が表示される

    D[SQL集合関数]をクリックする

    エSQL集合関数の一覧が表示される

    E[Sum]をクリックする

    オ関数が挿入される

3.134G挿入された関数の<expr>をドラッグする

3.135カ<expr>が反転表示になる

3.136H[請求明細のサブフォーム]フォルダをクリックして開く

キフィールドリストが表示される

I[金額]をクリックして反転表示にする

J[貼り付け]をクリックする

ク<expr>が[金額]に入れ替わる

K[OK]をクリックする

3.137 プロパティウィンドウに戻り、コントロールソースに計算式が入力される

 

なお、<expr>については275ページで解説します。

 

 AC7H454Z

 

  

AC7H455Z                    AC7H456Z

 

   

AC7H457Z                     AC7H458ZAC7H459Z

 

 

  

   AC7H463Z                  AC7H464Z

 

●結果の確認

 請求明細のサブフォームをフォームビューで開いて結果を確認します。

 

>操作

3.138@[ビュー]ボタンの[]ボタンをクリックする

    アビュー一覧が表示される

    A[フォームビュー]をクリックする

3.139 請求明細のサブフォームがフォームビューで開く

    イSum関数の集計結果

 

    

AC7H465Z     AC7H466Z

 

 

 

 

 

 

 図3.139のように集計結果(Sum関数の結果)の値が「0」になっています。また、同図ウのようにレコード表示が1になっているのはビューが単票形式になっているからです。[金額]欄は表示されているのに[小計金額]のテキストボックスが「0」になるのは、金額の求め方に問題があるからです(数式に誤りがあると#Errorが表示されることもある)。金額を求めるためにテキストボックスのコントロールソースとして、次の計算式を入力しました(259ページ参照)

 

[数量][単価]

 

 計算式をコントロールソースにしたことで、請求明細のサブフォームのレコードソースのデータ参照は断ち切られます。すなわち、計算した結果を記録するフィールドがなくなったということです。したがって、Sum関数で集計するフィールド[金額]に値が入力されていないので、集計値として「0」が表示されたのです。

請求明細クエリのフィールド[金額]の内容を確認してみましょう。いったんサブフォームを保存して、閉じます。

 

●クエリの確認

請求明細クエリを開いてフィールド[金額]を見てみましょう。

 

r操作

3.140 @ [請求明細クエリ]を選択して[開く]ボタンをクリックする

     ア 金額の値が0になっている

 

線吹き出し 2: @

 


線吹き出し 2: ア

AC7H467ZAC7H468Z

 

 すべてのレコードが「0」になっています。このため、図3.139イのように計算式Sum([金額])の結果が「0」になったのです。

請求明細の金額を求めるために、請求書のサブフォームのテキストボックス[金額]に計算式=[数量][単価]が入力してあるので、求めた金額はフォーム上だけの結果になってしまったのです。計算式を修正して、正しく表示されるようにします。

 

2◆クエリ内で計算式の結果を求める

 請求明細クエリのフィールド[金額]に、正しい計算式を入力します。計算式の前にフィールド名を付けづに計算式だけを入力すると、作成中のクエリのもとになっている請求書(マスター)テーブルのフィールド[金額]とのつながり(テーブルからフィールドリストに登録)が切り離されてしまうので、フィールド名を残したまま計算式を入力します(3.149)

 請求明細クエリをデザインビューに切り替えて操作します。

 

 

>操作

3.141 請求明細クエリをデザインビューに切り替える

@フィールド[金額]を表示する

3.142Aフィールド[金額]欄を右クリックしてショートカットメニューを表示する

    B[ビルド]を選択する

3.143 式ビルダが起動する

    アフィールド名「金額」が入力される

3.144Cフィールド名「金額」のあとにコロン「:」を入力する(見やすくするためにコロンの前後にスペースを入力してもよい。図では前後に1つずつ入力してある)

3.145Dフィールドリストの[数量]を選択して[貼り付け]をクリックする

    イ「<Expr[数量]」が入力される

3.146E[]ボタンをクリックする

    ウ[]が入力される

3.147F[商品テーブル.単価]を選択して[貼り付け]をクリックする

    エ[商品テーブル.単価]が入力される

 

AC7H469Z

 

   

AC7H470Z                  AC7H471Z

 

 

 

 

 

 

 

AC7H472Z

 

 

 

 

 

 

                      AC7H473Z

 

AC7H474Z                    AC7H475Z

 

 

●数式の変更

 フィールド[単価]は、請求明細(マスター)と商品テーブルの2か所に存在し、それらはリレーションシップによって参照を行っています。実際にデータが記録されている商品テーブルのフィールド[単価]を選択します。

 先の操作で数式は次のように入力されました。

 

     金額:<Expr [数量][商品テーブル.単価]

 

 しかしまだ、このままでは不完全です。

Expr>は、外部参照(エクスポート)を意味します。外部参照とは、「自分以外(ここでは数式を入力するフォーム以外を指す)の他のフォームやクエリのフィールドを参照する」という意味です。ここでは同じクエリ内のフィールド[数量]を指すので[Expr]は削除します。

 また、挿入された[商品テーブル.単価]の意味は、「商品テーブル」はテーブル名「単価」はフィールド名を表しますが、両方をカッコ[ ]で区切る必要があるので次のように書き換えます。なお、カッコ[ ]は半角で入力します。全角で入力してもふつうは半角に変換されますが、操作状況によっては自動的に変換されないことがあるので、半角で入力するようにしましょう。

 

     金額:[数量]*[商品テーブル].[単価]

 

>操作

3.148@入力内容を変更する

    A[OK]をクリックする

3.149アフィールド名の欄にフィールド名と計算式が入力される

    イ列幅を広げると入力内容がすべて表示される

 


フィールドの内容は、式ビルダを起動して確認できます。また、ショートカットメニューの[ズーム]を選択して、フィールドの内容を確認できます。また、[ズーム]でそれぞれフィールドの内容を修正することも可能です。

 

線吹き出し 2: アAC7H476Z

線吹き出し 2: イAC7H477Z

AC7H478Z

 

 

 

 

 

 

 

 


●結果の確認

クエリをデータシートビューに切り替えて、金額が正しく表示されるかどうかを確認しておきましょう。

 

>操作

3.150 [ビュー]ボタンをクリックしてデータシートビューに切り替える

@スクロールバーを操作して金額を表示する

ア金額が計算されている

 

AC7H479Z

 

 エラーが表示されたり、計算結果が正しくないときは、式ビルダを起動して入力内容を確認します。確認したら、クエリを保存して閉じます。

 

3◆請求明細のサブフォームの小計金額を確認する

 クエリ内に金額が表示されたので、サブフォームに入力した計算式=Sum([金額])の結果も正しく表示されるはずです。請求明細のサブフォームのフォームビューで確認してみましょう。

 

>操作

3.151 請求明細のサブフォームを[開く]ボタンで開く

アデータシートビューで開く

@[ビュー]ボタンの[]ボタンをクリックして[フォームビュー]を選択する

3.152 フォームビューで表示される

イ小計金額が表示される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AC7H480Z

 

AC7H481Z

 

 

 

●請求明細のサブフォームの計算式の削除

正しい小計金額が得られるようになったので、請求明細のサブフォームに入力した計算式は不要になります。データベース全体のパフォーマンス向上のために、不要な計算式は削除しましょう。不要な計算式があると、計算のために多少の負荷がかかり、ほんのわずかですが、少しでも不要なものは残さないようにするほうがスマートです。

 

>操作

3.153 [ビュー]ボタンをクリックしてデザインビューに切り替える

@テキストボックス[金額]のプロパティウィンドウを表示する

アコントロールソースとして計算式が入力されている

A[コントロールソース]欄の[]ボタンをクリックする

Bフィールド[金額]を選択する

3.154[コントロールソース]欄の内容がフィールド名[金額]に変わる

ウ表示内容も「金額」に変わる

 

 

 

 これでテキストボックスの内容が計算式からフィールド名に変更できました。なお、サブフォームに表示されている「金額」という文字列は、テキストボックスに付加されたラベルコントロールです。フィールド名[金額]とは別のものなので、混同しないように注意しましょう。

 

線吹き出し 2: ア線吹き出し 2: B線吹き出し 2: A線吹き出し 2: @

AC7H482ZAC7H483Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


●結果の確認

データシートビューに切り替えて、正しく表示されていることを確かめておきましょう。

 

>操作

3.155 データシートビューに切り替える

ア金額が正しく計算されている

 

 

 

 AC7H484Z

 

4◆親フォームに小計を表示する

請求明細のサブフォームのテキストボックス[小計金額]で求めた小計は、請求書フォーム(親フォーム)には表示されていません。親フォームにも表示させるために、親フォームにテキストボックスを挿入し、コントロールソースとして参照式を入力します。参照式は他のコントロールの内容を参照する式です。

請求書フォームをデザインビューで開いて操作します。

 

●テキストボックスの挿入

テキストボックスを挿入しテキストボックス「小計」を指定します。フォントサイズなども指定できますが、以下の操作例では既定値のままとしてあります。

 

>操作

3.156 請求書フォームをデザインビューで開く

@フォームのサイズを少し広げる

Aこのあたりにテキストボックスを挿入する

3.157 ウィザードが起動する

B[次へ]をクリックしてコントロール名を入力する状態まで進める

3.158Cコントロール名(ここでは「小計」)を入力して[完了]をクリックする

3.159アテキストボックスが挿入される

 

線吹き出し 2: A線吹き出し 2: @

AC7H485Z

 

AC7H486Z

AC7H487Z

 

AC7H488Z

 

 

 


参照式の入力

コントロールソースに、式ビルダを使って参照式を入力します。

 

>操作

3.160アテキストボックス[小計]のプロパティウインドウを表示する

    @プロパティ[コントロールソース][...]ボタンをクリックする

3.161 式ビルダが起動する

    A[]ボタンをクリックする

    イ[]が入力される

3.162B[請求書フォーム]フォルダをダブルクリックする

    ウ[請求書フォーム]フォルダが開く

3.163C[請求明細のサブフォーム]フォルダをクリックする

    エフィールドやコントロール名一覧が表示される

    D[小計金額]を選択する

    E[貼り付け]をクリックする

    オコントロール名が入力される

    F[OK]をクリックする

    カ 参照式が入力される

 

線吹き出し 2: @線吹き出し 2: ア

AC7H489Z

 

 

AC7H490Z                    AC7H491Z

 

 

線吹き出し 2: カ線吹き出し 2: F    

AC7H492Z                       AC7H493Z

 

上記の操作で、次の参照式が入力されます。(Form[Form]と入力される場合もある。[ ]は省略可)

 

[請求明細のサブフォーム]Form[小計金額]

 

注: 上記の操作で、次のように参照式が入力された場合、

      =[請求明細のサブフォーム].フォーム![小計金額]

   この式では不完全なので、次のように修正します。カタカナでフォームとなっている

   部分を半角の[Form]に書き換えます。

 

>操作

3.164@参照式を書き換える

    A[OK]をクリックする

3.165アコントロールソースに参照式が入力される

 図2点削除

 

●結果の確認

フォームビューに切り替えて、小計が正しく表示されることを確認します。

 

>操作

3.166 請求書フォームをフォームビューで表示する

   ア明細金額の小計が表示される

 

線吹き出し 2: ア AC7H494Z

 

 

●金額の表示形式

プロパティ[書式][通貨]に設定すると、\記号や3桁ごとにカンマの入った金額形式で表示されます。また、テキストボックス内での表示位置は、プロパティ[文字配置]でしていできます。[文字配置]を標準にすると、数値は右詰め、文字は左詰めになります。

 デザインビューに切り替えてプロパティを設定し、フォームビューで確認します。操作の前に3.167のようにウィンドウの横幅を広げると、表示内容が途切れないで操作しやすくなります。

 

>操作

    ア 小計のプロパティウィンドウを開く

3.167@プロパティ[書式]欄の[]ボタンをクリックして[通貨]を選択する

3.168[通貨]が設定される

3.169Aプロパティ[文字配置]欄の[]ボタンをクリックして「左」を選択する

3.170ウ「左」が設定される

3.171 フォームビューに切り替えて表示状態を確認する

    エ左詰めの通貨スタイルで表示される

     B フォントサイズを適切に設定する

 

動作の確認後は、同様の操作で文字配置を[標準]に設定し直しておきましょう。

 

線吹き出し 2: ア

線吹き出し 2: @AC7H495Z

 

線吹き出し 2: イ AC7H496Z

 

 

 

線吹き出し 2: A

 


線吹き出し 2: ウ   

AC7H497Z              AC7H498Z

 

線吹き出し 2: B AC7H499Z

 

線吹き出し 2: エ

AC7H500Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SQL集合関数

ここで入力したSum関数は、AccessがもつSQL集合関数の1つだ。

SQL(Structured Query language)は、プログラム言語の一種で構造化照会言語という意味で、データの抽出、更新、データ管理を行うプログラムを記述するためのプログラム言語である。

AccessSQLによるプログラムを自動作成する機能をもっている。したがって、データベースを作成する段階ではSQLについて知らなくても支障はないが、より詳細なデータの抽出をしたり、自動作成されたプログラムを変更するには、SQLを理解しておく必要がある。

 

 

キーワード

■フッター領域、フォームの下部に表示する内容を入力する領域。ワープロ文書などのフッターと同じ意味

Sum関数 フィールドに記録された数値を合計する機能

■外部参照 自分以外のフォームやテーブルなどの値を参照すること

■プロパティ[書式] コントロール(テキストボックスなど)にデータ表示するスタイル(数値、文字、日付などの形式)を設定する

■プロパティ[文字配置] コントロール(テキストボックスなど)にデータ表示する文字割付(右寄せ、中央、左寄せ)を設定する

SQL集合関数 値の集合からさまざまな統計値を求める機能。集計関数ともいう

 

 


B消費税額を計算する

 前項までで求めた小計金額から消費税を求めましょう。消費税率が変化することが考えられるので、請求書ごとに消費税率を記録しておくことが必要です。消費税の額は請求書フォーム上で計算し、消費税率は請求書フォームに記録しないということです。

 ここでは、請求書番号テーブルに消費税率を記録するフィールドを作成し、請求書フォームで計算した値(消費税率)を記録させるようにします。

 

1 消費税率を記録するテーブル

 はじめに、消費税額を求めるための消費税率を記録するテーブルを決めます。消費税率は商品の種類にかかわらず1種類だけなので、請求明細の1行ごとに消費税率を入力して税額を計算する必要はありません。請求書1枚の小計に消費税率をかければいいのです。

 請求書の管理は請求書番号テーブルで行っているので、消費税率もこのテーブルに記録します。請求書番号テーブルをデザインビューで開いて操作します。なお、消費税率は整数のパーセント値で示されますが、実際の値は少数なので、フィールドサイズに浮動小数点型を設定します。浮動小数点型には単精度と倍精度がありますが、使用する桁数が少ないので単精度にします。

 

>操作

3.172 請求書番号テーブルをデザインビューで開く

    @フィールド名として「消費税率」を入力する

3.173Aデータ型を[数値型]に設定する

3.174Bプロパティ[書式]欄の[]ボタンをクリックして[パーセント]を選択する

3.175Cプロパティ[フィールドサイズ]欄の[]ボタンをクリックして[単精度浮動小数点型]を選択する

3.176 消費税率が設定されたテーブル

 

 

AC7H501Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AC7H502Z

AC7H503Z

AC7H504Z

 

 

AC7H505Z

 

●テーブルの表示内容の確認

データシートビューに切り替えて確認しましょう。

 

>操作

3.177 データシートビューに切り替える

    アフィールド[消費税率]が追加されている

 

 すでにデータが入力してあるレコードには、消費税率の値は表示されません。ここで請求書番号テーブルに消費税率の値を入力することもできますが、消費税率を請求書フォームで入力するようにします。確認後はテーブルを閉じます。

 

 

AC7H506Z

 

 

 

2 消費税の処理を追加する

 請求書フォームに、消費税率を入力するテキストボックスと、消費税額を計算して表示するテキストボックスを挿入します。これらのテキストボックスと請求書番号テーブルのフィールド[消費税率]とをコントロールソースとして設定したり、参照式を入力して、消費税の処理を完成します。

 テキストボックスは、[小計]のテキストボックスをコピーして、挿入してみましょう。ショートカットメニューの[コピー][貼り付け]を使います。

 


●コントロールをコピー操作で挿入

 すでに挿入されているコントロールをコピーして挿入すると、サイズやプロパティも同じものができます。同じサイズのコントロールを挿入する場合には便利な方法です。

 テキストボックスのようにラベルと対になっているコントロールは、テキストボックスをコピー元にすると、ラベルも同時にコピーされます(ラベルをコピー元にするとラベルだけが複写される)

 

>操作

3.178 請求書フォームをデザインビューで開く

    @複写元のコントロールにマウスポインタを合わせ、右クリックする

3.179アショートカットメニューが表示される

    A[コピー]を選択する

3.180Bフォーム上を右クリックして、ショートカットメニューを表示する

    C[貼り付け]を選択する

3.181イフォームの左上端にコントロールが挿入される

        ウ次の操作でこのあたりに移動する

    D マウスポインタを移動するコントロールに合わせる

      ここではラベルコントロール

3.182Eラベルの部分などをドラッグして目的の位置へ移動する

3.183F移動先でマウスボタンを放す

3.184エマウスボタンを放したときの位置に移動する

 

 

線吹き出し 3 (枠付き): @






 AC7H508Z
AC7H507Z

 

    

 

 

 

 

 

線吹き出し 2: ア線吹き出し 2: A

AC7H509Z

線吹き出し 2: C線吹き出し 2: B

線吹き出し 2: イAC7H510Z

線吹き出し 2: ウ

AC7H511Z

 

線吹き出し 2: D

 

 


線吹き出し 2: E  

AC7H512Z

AC7H513Z

線吹き出し 2: F       

       AC7H514Z

線吹き出し 2: エ       

       AC7H515Z

 

 

 

 


●設定の変更

 新しく挿入したコントロールのプロパティなどを変更します。ここでは、ラベルを「消費税率」に、テキストボックスのコントロール名を「消費税率」に、コントロールソースを「消費税率」に、書式を「パーセント」にします。

 

>操作

3.185@ラベルをクリックして、「小計」を「消費税率」に変更して[Enter]キーを押す

3.186アキャプションが書き換えられる

3.187Aテキストボックスのプロパティウィンドウを表示する

    B[その他]タブをクリックする

    Cプロパティ[名前]を「消費税率」に書き換える

3.188D[データ]タブをクリックする

    Eプロパティ[コントロールソース]欄の[]ボタンをクリックして[消費税率]を選択する

3.189イコントロールソースが変更される

3.190Fプロパティ[書式]欄の[]ボタンをクリックして[パーセント]を選択する

    G[×]をクリックして閉じる

 

 

           

線吹き出し 3 (枠付き): @                                   AC7H517Z

線吹き出し 2: ア

AC7H516Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 


線吹き出し 2: G

線吹き出し 2: AAC7H518Z

 

 


  

AC7H519Z             AC7H520Z         AC7H521Z

 

 

●消費税率の入力

 消費税率を入力してテーブルに記録する処理が完成したので、フォームビューに切り替えて消費税率を入力してみましょう。書式はパーセントに設定してありますが、1100%とした値、すなわち5%なら「0.05」と入力します。

 

>操作

3.191 請求書フォームをフォームビューで表示する

    @消費税率の入力欄をクリックして「0.05」を入力し、[Enter]キーを押す

3.192ア表示は次のレコードに進む

 

 @の操作を繰り返して(3.193、図3.194)、データ「0.05」を入力します。データを入力していないレコードが表示されると(3.195)、消費税の欄には「0.00%(同図エ)と表示されます。すでに消費税率以外のデータが入力されているレコードでは、新しく付加したフィールド[消費税率]の内容が未確定なので空白(3.192)が表示されます。

 レコードボタンをクリックして表示されるレコードを戻すと、消費税率は「5.00%」と表示されます。「0.05」と入力しましたが、入力を決定すると、設定した書式(ここではパーセント)で表示されます(3.196)

 

AC7H522Z

AC7H523Z

AC7H524Z

 

 

AC7H525Z

AC7H526Z

AC7H527Z

 

 

●消費税率の既定値

新しいレコードを入力するときに、毎回同じ値を入力しなくてもすむよう、プロパティ[既定値]に「0.05」を入力しておきます。

 

>操作

3.197アテキストボックス[消費税率]のプロパティウィンドウ

    @プロパティ[既定値]に「0.05」を入力する

3.198A[新規レコード]ボタンをクリックして新しいレコードに進む

    イ新しいレコードには「5.00%」が自動的に表示される

 

 なお、上記の操作を行う前に入力したレコードについては、消費税率は自動的には入力されません。この場合は3.198のテキストボックスに、それぞれ入力する必要があります。

 

線吹き出し 2: @ AC7H528Z

線吹き出し 2: ア 


 AC7H529Z

 

3◆消費税額を計算する

 消費税率から、消費税額を求めます。コピー元を「小計」としてテキストボックスを挿入し、ラベルを「消費税額」に、プロパティ[名前]を「消費税額」に、プロパティ[コントロールソース]を次の計算式に変更します。他のプロパティは「小計」と同じなので、そのままにします。

Fix([小計][消費税率]

 Fix関数は、小数部を切り捨てる機能をもちます。消費税額に1円未満の値が発生したとき、それを切り捨てるために使っています。

 簡単な計算式なので、式ビルダを使わずに、プロパティ[コントロールソース]欄に直接入力します。コントロール名の漢字以外は、すべて半角で入力します。

 

 

>操作

3.199 請求書フォームをデザインビューに切り替える

    @テキストボックス[小計][コピー][貼り付け]操作で新しいテキストボックスを挿入する

3.200Aラベルを「消費税額」に書き換える

3.201B挿入したテキストボックスのプロパティウィンドウを表示する

    C[その他]タブのプロパティ[名前]に「消費税額」を入力する

3.202D[コントロールソース]欄をクリックしてカーソルを点滅させる

3.203E入力されている内容を[BackSpace]キーまたは[Delete]キーで削除する

3.204F計算式を入力する

    ア ウィンドウのサイズを広げて入力内容を見やすくする

3.205イフォームビューに切り替えて確認する

 

 以上で消費税額が求められます。正しく計算されていることを確かめておきましょう。

 

線吹き出し 2: @ AC7H530Z

線吹き出し 2: A AC7H531Z

 

線吹き出し 2: C

線吹き出し 2: D線吹き出し 2: BAC7H532Z

 

線吹き出し 2: E  

AC7H533Z             AC7H534Z

 

線吹き出し 2: ア線吹き出し 2: F

AC7H535Z

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

線吹き出し 2: ア

AC7H536Z

 

 

 

 

キーワード

■単精度浮動小数点型 小数点以下を含む値の桁数が6桁以下の数値を使うときに指定する

Fix関数 値の小数部を切り捨てる